「秋名のアラセツ行事」は、今年も神ってた
うがみんしょーらん!
秋名、いや、龍郷町が誇る国指定重要無形民俗文化財「秋名のアラセツ行事」は、今年も無事に終了しました。
今年は台風14号の影響が心配され「行事はあるんですか?!」と、E’more秋名にもお問い合わせ頂くこともチラホラ。
そもそも、この台風シーズンに開催される行事ですので、今までどうだったんだろうと気になって、古老に聞いてみましたが、台風で中止になったことはないんですって。
厳密に言うと、「中止に、したことがない」かな。
平瀬マンカイでノロ役が暴風で落ちることがないように、神平瀬の岩陰に男衆が待機して、強行したこともあると聞きました。
すごい執念、、、
今年は、直撃ではないにしても、雨風の影響はあるだろうな~と、思いながら祭り日を迎えました。
奇跡は夜明けと共に...
明け方5時00分、外はまだ薄暗い夜明け前、天候は土砂降りの雨。
自宅で待機していた私は、一緒に乗ると約束していた息子を起こしていこうか迷いながら、天候を伺っていました。
だいたい6時頃から、ショチョガマでは、グージ役が祝詞(のりと)を上げ、それからいよいよ開始になります。
その時間ギリギリまで待機しようと様子を見ていました。
5時40分、雨が小降りになってきました。
息子を急いでお越して、用意していたアラセツのポロシャツを着せて、足早にショチョガマへ。
5時55分、ショチョガマに上ったころには、雨はすっかりやんでいました。
強い上空の風は、雲をどんどんと押し流しています。
グージ役の保存会会長が、祝詞を上げ終えて、ショチョガマから降りてきました。
6時00分、「朝潮(あさしょ)満(み)~しゃが~り~や~」、チヂン(小太鼓)の音共に、唄い始め、厳粛な雰囲気の中、 いよいよショチョガマが始まる。
唄い終える度に、「ヨラ!メラ!」のかけ声に合わせてショチョガマを揺らす。
唄っては揺らすこのルーティンを30~40分間、 繰り返します。
すると、なんとなんと「ヨラメラ」している間に、空にはまさかの晴れ間が!!
さっきまで土砂降りだったのが、嘘のような空模様。
そして、 4~5回「ヨラメラ」したあと、ついにショチョガマは、大きな歓声と共に豪快に倒れました。
見事な倒れっぷり、奇跡的な天候に、心なしか、テンションがさらに上がった様にも感じた八月踊りでした。
聞いていたとおりの光景が!
夕方4時に始まる平瀬マンカイ、それまでは小休憩となります。
お昼頃からは、バケツをひっくり返したような土砂降りの雨!!
雨雲レーダーを見ても、かなり厳しいかなあと感じていました。
しかし開始1時間前になると徐々に雨が弱まり始めました。
そして、遂に開始時刻には雨が上がる。
なんてこった。
お客さん対応で少し出遅れ、平瀬マンカイを見逃した私は、知人に写真を見せて貰うと、なんと古老に聞いていたあの光景が!!
確かに急な突風の可能性もあったので、万全を期しての決行、ある意味貴重な写真です。
無事に踊り終えた後には、岩から降り、スス玉踊りも雨の影響も無く、滞りなく行われました。
平瀬マンカイ後には、住民各家庭が各々ゴザにお重を広げて、食事をとります。
私、この時間もすごく大好きです。
祭りを無事に終えられたみんなの晴れ晴れとした笑顔、明るい雰囲気がなんとも言えません。
Iターンの私は、島に親戚もいないので、家族だけでゴザを広げても場違いなピクニックみたいだし、なかなか出来ない行為なのですが、いつも誰かしらが声を掛けてくれて、交ぜて頂いています。
本当にありがたいです。この温かい心遣いに毎年、感激しています。
そして、この楽しい時間も神様が見守ってくれているかのように雨が降ること無く、楽しそうな声が平瀬に響き渡っていました。
今年も神ってた
移住してから3回目のアラセツ行事ですが、移住前にも視察で見に来ていて、実はその4回全てが、雨模様なんです。(晴れ男を自負しているので、くれぐれも私のせいではないのですが)
ですが、不思議と行事をやっている時間だけは、その4回全てが、雨があがり、ちゃんと行事が行われているのです。
4回もあると、2度あることが3度あるどころじゃないので、もはや自分の古びた引出しから出てくるワードでは、「神ってる」しかありません。
おそるべし、アラセツ行事。
今年も平瀬マンカイが終わるまで雨がもち、集会場付近では八月踊りも始まりました。
時折、強めに降ることもありましたが、それでも威勢の良い歌声とチヂンの音が夜の集落に響き渡ります。
そして、今年のアラセツ行事も盛大に終えることが出来ました。
きっと、来年のアラセツも天候は大丈夫でしょう。
今ならそう思います。