奄美に来たなら「種下ろし」が絶対オススメ!

綺麗な満月に照らされて夜な夜な踊り続けます

うがみんしょ~らん!
アラセツ行事も終わり、集落も一息。。。

ってことは、ありません。

むしろ、これから奄美は目が覚めるような行事ラッシュです。
果たしてどれだけ行事があるかは、「お知らせ」でもご紹介していますので、ご覧下さい。

その中でも今回は、10月末に行われる「種下ろし」についてご紹介したいと思います。
私が移住したての頃に「種下ろし、楽しいよ!」と色んな人から聞いたので、どんな行事か聞いたら、だいたいの答えが「夜に皆で八月踊りを踊るんだよ」と。

えっ?!夜に皆で踊る?
パリピ的な??
ってか、八月踊りってなに?!

種下ろしに参加して移住を決めたという人までいたもんだから、楽しいのは間違いないと思うのですが、その楽しさや、そもそもなんで夜な夜な皆で踊ってるのかが分からなかったので、調べてみました。
今では、種下ろしは、私の大好きな行事の一つですので、みなさんにも少しでもその魅力をお伝えできればと思います。

島ッチュの血が騒ぐ「八月踊り」

八月踊りをしては移動しての繰り返し

種下ろしの前に、そもそも八月踊りって何?って感じですよね。

八月踊りとは、一説に寄れば700年以上も前から奄美で行われている伝統の踊りです。

かつて奄美は、米作りが二期作でした。
一期目の収穫が終わり、二期目に入る前が、旧暦の八月。
なので、米作りにおいて旧暦の八月は、時期(年)の変わり目(=新年)にあたると言うことで、豊作の感謝と予祝として、この時期(=旧暦八月)に踊ったことから、「八月踊り」と呼ばれるようになったようです。

八月踊りでは、共通の歌詞が何種類もあり、唄(=タイトル)によって異なる踊りや曲調と合わせて、 男女が交互に歌詞を投げ交わします。
例えるなら、男女別に集団で交わすフリースタイルのラップバトルのような感じです。

その歌詞や踊りが集落によって、全く異なり、一言に八月踊りと言ってもバラエティ豊かです。
そして歌詞には、かつての集落の暮らしぶりが表現されていて、暮らしの知恵や教訓を伝える手段の一つだったのではないでしょうか。

そんな八月踊りは、奄美の暮らしぶりを感じると共に、集落のアイデンティティであり、唄や踊りをリードする人たちは、尊敬の対象でもあり、憧れです。
そのあたりもHipHopと似た感じがしますよね。

集落にとって無くてはならない、何百年も受け継がれてきた”暮らしの一部”として、今なお、種下ろしで八月踊りが繰り広げられています。

で、種下ろしとは?

ご馳走が各会場で振る舞われます

そして、種下ろし。

「種下ろし」は、簡単に言うと「集落の複数会場を舞台に、八月踊りをしては移動してを繰り返して、夜更けまで転々としながら、各会場で集落運営費の寄付を集める」行事です。

よく分からんですね。

平たく言えば、「ステージを転々としながら、フリースタイルのラップバトルをかましてホーミーからマネーをゲットする」感じです。

楽しそうですよね。

実は、「種下ろし」は、奄美でも様々なところで行われていて、微妙に時期も異なるのですが、奄美北部では、「旧暦9月頃に高倉から種籾を下ろす前に、豊作への感謝と祈願を込めて餅を作り、 三日三晩夜通しで踊りながら家々を回り、種籾のように餅を撒いた」ことから始まったそうで、その頃は、家々でご馳走を用意して、踊りを歓迎したそうです。

80歳近い方に聞けば、昔は、タイマツを持って、家々を夜通し回って、朝になれば眠りに帰って、夜が始まるとまた、踊りながら家々を回ったという話も聞きます。
イッちゃってますよね。

そして、今では、だいたい2日間のところが多いのですが、夜7時頃から夜更けまで、いくつかの会場で八月踊りをして、年間の集落運営費を集める為の大事な行事になっています。
そして、「おハナのご披露」といって、 寄付してくれた人たちの名前を華々しく読み上げ、さらにボルテージを上げて、三味線やチヂン(小太鼓)で煽り鳴らしながら、踊りまくります。

かつては、豊年の感謝と祈りが主旨だったのですが、時代と共に姿を変えて、エンターテイメント性を失わず、無礼講さながらのトランス状態で集落運営費を集める機会にするという秀逸な行事なのです。

結論「奄美に来たなら踊らにゃ損々!」

子どもも一緒に。楽しそうでしょ?

種下ろしは、島ッチュにとって、DNAに刻まれた、まさに切っても切れない存在。
この2日間だけは、子どもも大人も一緒になって夜な夜な踊ります。

そして、種下ろしは、集落の人だけでは無く、集落外からの参加もウェルカムです。
初めての人は、少しノリが分からないかもしれないですが、とりあえずマネして踊ってれば大丈夫です。
ちゃんと踊れてるかどうかなんて、誰も気にしてません。

酒と上手い食事、盛り上げ上手の三味線や唄者に煽られて、時間が経つと共に、みんなと一緒に盛り上がっている雰囲気が楽しくなって、圧倒的な開放感が得られるかと思います。

奄美ならではの「種下ろし」。
今年は、秋名は10/25~26です。
奄美と言えば「種下ろし」と言っても過言ではないこの行事。
この時期に奄美に来たなら踊らなきゃ損です!
龍郷町役場のホームページでは、各集落の開催日程が公開されていますので、集落ごとの種下ろしの違いも楽しんでみては如何でしょうか?

あっ、参加される際には、食べ物も飲み物たくさん出ますので、寄付(※)も忘れずにお願いしますね。
※集落は、種下ろしの寄付を原資として、集落住民が快適に暮らせるように運営しています。
 寄付額は、人によってマチマチですが、集落外からの参加者は、3,000円/名~と言った感じだと思います。

奄美に来たなら「種下ろし」が絶対オススメ!”へ1件のコメント

  1. 野村伸一 より:

    興味深い内容です。ついては以下の記述に関して二点、質問です。

    かつて奄美は、米作りが二期作でした。
    一期目の収穫が終わり、二期目に入る前が、旧暦の八月。
    なので、米作りにおいて旧暦の八月は、時期(年)の変わり目(=新年)にあたると言うことで、豊作の感謝と予祝として、この時期(=旧暦八月)に踊ったことから、「八月踊り」と呼ばれるようになったようです。

     1. 「一期目の収穫が終わり」とあります。 一期目は 旧暦でいうと何月からはじまり、いつごろ収穫ですか。 
     2. 二期目のサイクルはどうなりますか。「旧暦9月頃」の種おろし、この収穫はいつごろですか。一期目の開始と重なるとおもいますが。
     以前一度、アラセツを見学したことがあるのですが、稲作のサイクルについては確認しませんでした。
     ご教示願えればさいわいです。

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